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2007年08月14日

恋する脳 part2 <p>

katoh.jpg

さすが夏休みの時期・・・中盤は、来店してくださる方は限られている。
なんとなく穏やかに時間が過ぎます。


とはいえ、カトちんは頂いたお仕事をせっせと
やっているので、あまり変わりないようですが・・・


私は少し時間がいつもよりあるので
昨日の続き書いちゃお♪


私がレース(全日本ロードレース選手権)をお手伝いしていた時期は
すごく良い時期だったと思うんですね。

ロードレース全盛期とも呼べる時代たったし
レースも関わる人も熟しきった時期だったんじゃないかと思う。


レースと切っても切れぬ資金の問題も
サポートしてくださる企業さんやスポンサーさんのお陰で
自己負担するお金は少なかった方だと思う。
恵まれた環境であった事は間違いない。
                     
                    
                      

それでも、プライベーターのカトちんを手伝うだけで
私自身も、かなりの資金を投入したくらいだから
1シーズン(約半年間) ほぼ、2週間に1戦あるシリーズ戦を
転戦するというのはある意味、本気でないとできなかったかも・・・。
                    
                       
                        

恋した状態の頭でレースと付き合っているから
そこは、強いモンだった。
・・・捨て身になれちゃうのだ A^^;
                
                 
                   
ただ捨て身になっていたわけでもない。
この状況の中で、どうしていくべきかを
いつも考えていたように思う。
もちろん、はじめからそう思えたわけじゃない。
              
                  
                      
はじめて手伝ったのは、筑波サーキットだった。
練習でもない、ノービスでもない・・・全盛期の全日本ロードレース選手権
はじめての環境に、お客さん状態の私・・・。
                   
                 
                   
公式練習(だったと思う)に向かうカトちんは私に
                        
                        
                         
                          

     その台車 持ってきて!
                      
                     
                     
                    
とガレージからコースに向かう。
                
             
筑波サーキットの内側を知っている方ならご存知でしょうが
ガレージからコース(ピットがあるパドック)までは少し距離がある。
                      
                 
                   

生まれてこの方台車など押した事のない私は
台車に満載になっている荷物を四苦八苦して運んでいる間に
カトちんを見失ってしまった。
                    
                      
                        
はじめて来た筑波サーキット・・・そして、予選なのか
練習なのか、決勝なのか何もわかっていない私。
                  
                   
                     
                
      ドコ イッタラ イイノ ?????
                
                  
                     
                   
全日本選手権ちゅうくらいだから
チームスタッフが何人もいて、
運営してるのだと想像するかもしれないけど、
プライベーターの身分ではひとりのライダーに
大勢のヘルパーやメカニックがいる
という状況のチームばかりではなかった。
               
              
              
そのレースの私たちの状況は
カトちんを手伝うのは私ひとり
カトちんは、ライダーとメカニックを兼任して
私たちより少し恵まれた環境のチームと協力してレースをしていた。
                   
                      
一緒にやってるチームの人もはじめて会う人
訳がわからない私は、出走前のピットロードに並ぶカトちんを
やっと見つけて、周りに並ぶバイクを縫って台車を引っ張りながら近寄り
                     
                      
                  
                         
      コレ ドコニ モッテイッタラ イインデスカ?
                    
                  
                    
                     

と、蚊の泣くような声で聞いた。
                   
              

・・・今考えてみりゃ、かろうじてマシなタイミングに
カトちんの元にたどり着けたんだろうと思うけど
あまりにも無知だった・・・。
           
              
               
そんな無知な私に
カトちんは、いろいろなことを教えてはくれる事は・・・なかった。
ライダーとして走って、メカニックのように整備や
セッティングをしている姿を見てると私も聞けなかった。
                
               
               

その姿があまりにも真剣で、声を掛けるのが怖かった。
たまに聞くと、
              
                     
                   
                     
                   

      周りの人がやってること見て
      自分で考えろ。
              
               
                
                  

だったから、自分で考えるようになったんだと思う。
                
              
               
               
それまでの私は、案外 器用な性格だったのか
与えられた環境や自分で望んで入った環境の中で
無難にこなしてきたし、その環境の中でも上の部分に
いることができた。
                 
                
              
              
でも、レースの環境では何も通じなかった (;_;)
                
                    
器用だと思ってたのに、不器用な人間になって
何をやっても合格点をもらうことができず怒られてばっかり・・・
               
            
                 

自分がいままでいた環境自体がいかに
甘っちょろい世界だったのかと気づかされたのだ・・・。
                       
                  
                  
                     
ここは、違う・・・。
                
                   
                  
                   
そう思ってから、「残れるのか」「残れないのか」
自分で決められるがゆえにかなり悩んだ。
                
                   
           
逃げ出せば、お気軽な生活に戻れる・・・。
神経性胃炎もなくなるだろう(笑)
             
                 
               
カトちんが引退するまで、ずっとこの思いは消えなかった。
                  
              
              

そう思いながらもやり続けたのは
この世界に変わるものを他で見つけられないと思っていたかも・・・。
             
             
            
日常より早し速度で物事が変化し
その変化に繊細に対応して神経を尖らせ・・・
その必要がないときは気持ちを開放する。
それは、あまりにも落差の激しい気持ちの変化だった。
             
               
                  
ドーパミンが多量に脳内で噴出してアドレナリンに変わり・・・
そんな繰り返しの末に中毒になっていたかもしれない。
                    
                
              
でも、悩みながら関わっていた事で
たまには、第三者の目線になってレース界を見ることもあった。
                   
                     
どこかで、冷静さを失ってはいけないと思っていた。
それは、カトちんのレース(バイク)に対する姿勢でもあったので
それを見ていたせいか、おぼれてしまう事はなかったと思う。
                 
                 
                  
     第三者の目線でレース(バイク)を見る
                  
                      
                      
この感覚は、今になって少し役にたってるかな?
まだ、修行中ですが・・・
           
                  
              
何事でも、はまり過ぎた時、好きなことを無心にやっている時、
いっぱい、いっぱいになってる時
物事を見る目が曇る・・・というのか、感情が入って
自分というレンズを通して物事を見てしまうと
そのものの本質が正確に判断できなくなる。
                 
                    
                    
本質を追求する世界を体験したからこそ
第三者の目線や冷静さの大切さが理解できたのかもね。
                
                  
                    
涙に暮れるとき・・・うれしい涙、悲しい涙、悔しい涙・・・
感情の高ぶった時は、ハタと思い返して涙をぬぐわなければならない。
目が曇って前が見えないからね。
それに、その境遇に酔ってもいけない。
         
               
                 
うれしくて、高ぶって天狗になることも
悲しくて、弱って甘い判断をすることも
悔しくて、意地悪する事も・・・
曇りがなければ、本質を判断できるし
筋の通った「良い」と思える判断ができるようになる。
           
                     
                       
こういうことを実感として教えてくれたあの時期は、
どれだけお金を積んだとしても
簡単に巡ってくるものではないと今でも思う。
               
                  
               
お金に代えられない経験、教訓・・・
バイク(レース)から貰いました 私の場合。
                
                   
              
バイクというのは、いろんな視点から見ても
決して「甘い」とは言えない乗り物だとは思うのですが
私がバイクから離れられない理由は、
                   
                     
                     
     厳しいがゆえに、見えなかったものが見えてくる・・・
                  
                
                        
そんなところにあるのかもしれないですね。

投稿者 kato : 2007年08月14日 20:36