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2006年01月28日

忘れられた日本 <p>

ついこの間、朝のTV番組で鋳物職人さんの現在について
特集でやっていた。

感想は、

      はぁ~スゴイ・・・


「キューポラ」という溶銑炉で鋳鉄を溶かし
真っ赤に煮えたぎった鉄を柄杓のようなもので砂型に注ぐ・・・
全くの手作業。

1500度にもなる溶湯を入れた柄杓を手で持って
砂型のところまで運ぶ・・・熱で腕は真っ赤だ。


ナレーションでも言ってたけど

   「命がけの仕事」

3Kという言葉がまさしく当てはまるような仕事。

埼玉県川口市には、昔こんな工場がたくさんあったそうです。

現在は、昔ながらの製法の鋳物工場は数少なく
残っているところも働いている人たちは、
もう60代のおじさんだったり老齢化が進んでいるそうだ。


しかし、おじさんの話を聞いてると
自分の仕事にプライドと誇りをもっている。
自分がしてきた仕事の経験と技術を誇りに思っている。


おじさん達は、この「命がけの仕事」で
家族を養い、生きてきた事に誇りを持っているように見えた。
煤にまみれて、汗にまみれて、おじさんたちは輝いて見えた。
目が輝いて見えた。


    「忘れられた日本」


というコーナー名の通り、なにか忘れられてしまった
ものがあるような気がする。

私の父も職人です。
私の父は、汗にまみれて仕事をしていたわけではないけど
一つの線を引くこと、一枚の箔を貼ることに
息が止まってしまうくらい真剣に仕事をしていた。

なぜか・・・一つの線を引くこと、一枚の箔を貼ること
その一瞬に最善を尽くしていたんでしょう。
その場所に、加工を施すことはその一瞬1回きりなのですから。


オートメーションでは実現できない
ひとつのモノづくりに敬意を感じていた。


当たり前のようにモノが溢れる時代
使い捨ての時代

創る人に敬意を感じるモノを手に取れる幸せ
今の日本人はもう一度、五感を取り戻さないといけないと
少し思ったのでした。

投稿者 kato : 2006年01月28日 23:54